2004/11/05

叙情詩-傷

今年の夏に傷をおった。

癒えない傷を。

自ら失われてしまったのだ。

眠る顔をみて、こみ上げてきた感情に応じた涙。

うなだれる、問いかける、多くの人が通り過ぎる。

何もできなかった、自分達は、

悲しみ、苛立ち、情けない、多様な感情が入り乱れ、

その場面を思い起こしては、寝付けない夜を過ごす。

あのとき、つながりあえていたら、、、

そのとき、優しい言葉で支えられていたなら、、、

暗く狭い部屋から解き放てたかもしれない。

だが、もう取り戻せない。

それは、神でさえも、立ち入ることができない領域。

何を考え、どんな時間を過ごしたのだろうか。

問いかけてみては、幾通りかの私なりの答えを導く。

それほど仲良くなれなかった。

けど、直前にはちょっとはなれたような気がして嬉しかった。

大事な、大事なものを残し、旅立ちを迎えた朝。

それはいつもと変わらぬ朝だった。

癒えない傷を負った朝だった。

兄へ。


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